お彼岸の時期になると、お墓やお手次ぎのお寺にお参りする姿が多く見られます。お彼岸は一般的には、ご先祖の供養をする仏事と考えられていますが、本来は、自分自身の仏道精進の意味を持つ行事です。
真宗において「彼岸」とは、阿弥陀仏の「浄土」を指します。浄土は、私たちが還っていく世界であると同時に、迷いの世界である「此岸」にいきる私たちの在り方を照らし、私たち自身の生き方を問いかけてくる世界です。
お彼岸は、浄土に還っていかれた亡き人を偲ぶとともに、あらためて自らへの問いかけに耳をかたむけ、自分の生活を振り返る大切な時なのです。
冊子「お彼岸」東本願寺出版