そうきたか家康

歴史好きも相まって、NHK大河ドラマ「どうする家康」を毎週欠かさず観ております。
いよいよ戦国乱世もクライマックスということで、ますますドラマの徳川家康公から目が離せませんね。
そこで今回は、徳川家康公が残したとされる名言の数々から、とくに興味深い二つの言葉を取り上げてみます。一つ目は、

『主君への諌言は一番槍より勝る』

ー 主人に対して諌言(目上の人の欠点や過失を指摘し、忠告すること)をする家来は、戦場で一番槍を突くよりも優れているという意味の言葉。

家康公は普段から家来の意見をよく聞いた上で様々な決断を下していたといわれます。人の意見を素直に「聞く」ことは簡単なことではありません。自らの心が好き嫌いをふるいにかけて、都合のいいことだけを聞く、興味のあることだけに耳を傾けたくなるものです。しかしそれでは自らを取り巻く実情を知ることはできない、ましてや家臣たちの深い信頼を得ることもできない。家康公は「聞く」ことの大切さをとても理解していたといえそうです。

「聞く」といえば、
お経のはじまりは、「如是我聞(にょぜがもん)」「私はこのように聞きました」から始まります。さらに親鸞聖人のお教えをそのまま聞かれた蓮如上人は「仏法は聴聞にきわまる」と仰られました。すべては「聞く」ことからはじまる仏法の心得を、かの徳川家康公もわきまえていたようです。そしてもう一つ、

『厭離穢土 欣求浄土(おんりえど ごんぐじょうど)』

ー 苦悩の多い穢(けが)れたこの世を厭(いと)い離れたいと願い、心から欣(よろこ)んで平和な極楽浄土を冀(こいねが)うこと。

これも有名な、徳川家康公が座右の銘とした言葉ですね。家康公は戦国の世を「穢土」とし、平和な世を「浄土」として、この言葉を旗印に掲げたそうです。このことからも家康公が仏教の教えから多くの影響を受けていたことがうかがえます。

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