まもなく浄土真宗の一大イベント「報恩講」がやってきます。
当院では例年通り、11月22日・23日(祝)の二日間とり行います。
「報恩講」とは浄土真宗、開祖・親鸞聖人のご命日である11月28日を中心に、その前後10月から翌1月にかけて浄土真宗各派のお寺で行われる仏事・法要のことをいいます。浄土真宗の僧侶・ご門徒にとっては一年に一度、親鸞聖人の遺徳を偲び、生きていく中でいただいたたくさんの「恩」に「報いる」。文字通り「報恩感謝」に思いを馳せるひとときでもあります。
「報恩講」の起源は永仁ニ年(1294)、親鸞聖人の三十三回忌に、本願寺第三世宗主・覚如上人によって「報恩講式」がつくられたのがはじまりとされています。浄土真宗の寺院においては年中行事の中でも最も重要かつ重い荘厳の形式で営まれる法要でもあります。
「報恩講」がご命日(11月28日)の行事にも関わらず、期間が長い(10月〜翌1月)ことには理由があり、ご命日の解釈として新暦の11月28日に行うものと、旧暦の11月28日を新暦に換算した1月16日に行うもの二通りがあること、またご命日当日はご本山で「御正忌報恩講」が営まれるため、別院、末寺の各寺院ではご命日を避け約3ヶ月の期間をかけて「報恩講」を行うことになっているようです。日程を分けてご本山や別院の「報恩講」にお参りに行かれるのも良いかもしれませんね。
「報恩講」ならではの醍醐味もあります。法要には複数のお坊さんが一堂に会して一斉に唱和します。調和のとれた合唱は一重、二重と声量が上がり、三重での大合唱は本堂に響鳴するほど聴き応えがあるものです。
また「報恩講」では必ず、「恩徳讃」という和讃が読まれます。参加されているご門徒の皆さんと声を合わせてご唱和できれば、より心に響くものになるかもしれませんね。
「報恩講」という行事は、かつては「ほんこさま」などとも呼ばれ、地域全体としても親しまれていたようです。現在でも厳修後に落語やコンサートなどの「お楽しみ」の時間をもうけるお寺もあり、この一大イベントを積極的に盛り上げていこうという活動もあるようですね。
まずは身近な当院の「報恩講」に、
皆さまぜひお参りにお越しくださいませ
お待ちしております
「恩徳讃」
如来大悲の恩徳は
身を粉にしても報ずべし
師主知識の恩徳も
骨を砕きても謝すべし