令和6年、秋のお彼岸を迎えます。
今年は9月22日の秋分の日を中日(ちゅうにち)として前後3日間の9月19日〜25日がお彼岸の期間となります。ちなみに彼岸とは極楽浄土のこと。阿弥陀さまが教主となり今も説法されている西方極楽浄土が真西にあるとされることから、太陽が真東から昇り真西に向かう春分の日と秋分の日がお彼岸になったといわれています。
「極楽浄土とはどのようなところなの?」
じつは私たちの身近なところに極楽浄土の様子を知る資料があります。浄土真宗の教義のよりどころとされる経典「浄土三部経」のひとつであり、ご門徒にとっても法要やお月参りなどで馴染みの深い『仏説阿弥陀経』の中で詳しく極楽浄土の様子を教えていただけます。
ご経文の後半。
ー 爾時仏告。長老舎利弗。従是西方。過十万億仏土。有世界。名日極楽。其土有仏。号阿弥陀。今現在説法。
ー 爾時、仏、長老舎利弗に告げたまわく。是より西方、十万億の仏土を過ぎて世界有り、名けて極楽と曰う。
「その時、お釈迦さまは、優れたお弟子である舎利弗に説かれました。ここから西のほうに十万億の仏土を過ぎると、極楽という世界がある。」
この書き出しに続いて、極楽浄土の様子が詳しく述べられます。
「極楽浄土には、金、銀、瑠璃、水晶で作られた七重の欄干、飾りのある網、並木があり、至るところを巡っています。」
「極楽浄土には、金、銀、瑠璃、水晶、艶のある貝、赤い真珠、メノウでできた立派な建物と、八功徳の水をたたえた池があり、底には砂金が敷かれています。四ヶ所に金、銀、瑠璃、水晶の階段があり、中には車の輪のような蓮の花が咲き、赤、青、黄、白など、それぞれの色で輝き、かぐわしい香を漂わせています。」
「極楽浄土では常にすばらしい音楽が流れています。地面は黄金でできています。昼と夜、それぞれ三回ずつ、蓮華が降ってきます。」
お釈迦さまが語られる極楽浄土の魅力はこの後もさらに続いていきます。西方極楽浄土とはこれほどまでに美しく安寧な世界であることをイメージしていただけたでしょうか。
お彼岸にお参りすることは、彼の岸(極楽浄土)をより近くに感じ、その場所で仏さまとなって安らかに過ごしている私たちのご先祖さま、そして今は亡き大切な人に感謝を届ける七日間でもあります。
まだまだ残暑がきびしいようです。お寺やお墓参りにお越しの際は、くれぐれも熱中症対策にご配慮下さい。