先日、当院先代住職である櫻徒院釋博之の三回忌法要をおかげさまを持ちまして無事に終えることができました。父親が他界して丸2年が経過し、一周忌と三回忌を終えてようやく一段落ついた心持ちでもあります。
わたくしごとながら父親の最晩年のエピソードを書き残させていただきます。父が傘寿の80を越えたころでしょうか、ふと気が付くと父の口元に大きくもなく長くもない、まことに形の良い白い口ひげが蓄えられていました。本人にしてみればちょっとした伊達心なのか、軽い遊び心なのか、あるいは孫たちを喜ばせようとしたのか、いずれにしても初めて見る父親の口ひげに少し心を動かされたのであります。
身なりも振る舞いも派手はせず、一切変えることのなかった父親が軽い気持ちで伸ばした口ひげが、
「まあ、思うようにやらせてもらおうか」
とわがままを言っているように思えて少しうれしかったんですね。
(口ひげだけと言わず、もっと存分にやってくださいな)
とも願いましたが、その後はやはり変わらない父のままだったようです。
口に出して伝えられなかったのが心残りです、この場を借りて、
「あの口ひげはよく似合ってたねえ」